バニラオト

ロックバンドgo!go!vanillasをひたすら褒めちぎるブログです。

「FLOWERS」TOUR 2023 ライヴレポート in 高松

 

 

こんにちは、東方美人です!

今回は、約二年ぶりに舞い戻ってきました!

 

「FLOWERS」TOUR 2023

at 高松festhalle!!!!!

 

 

実は、私がかつてライヴデビューを果たしたのがここ、高松festhalle。

たしか「PANDORA TOUR 2021~CHAOS & HEARTS~」(1stと2ndに分かれてるやつ)でした。

当時は二度の失敗を経てやっと掴んだ切符だったからもー嬉しくて嬉しくて。初参戦なのに特賞のサイン入りTシャツを引き当ててしまったり、憧れのメンバー達を初めて目の当たりにして凍り付いてしまったり、クライベイビーが最高すぎて本当に泣き笑ってしまったり……初々しい記憶が昨日のことのように甦ります。

 

あれから二年が経ち、迎えた2023年3月12日。

心臓バクバクで右も左も分からなかった当時と比べてだいぶ耐性もついたのか、個人的には腰を据えてじっくり「味わえた」ライヴだったように感じます。憧れのアイドルひと目見たさに大はしゃぎ!というより、大好きな旧友と再会して昔話に花を咲かせるかのような。

かつてないほど濃厚なリラックスムードで、自分でも少し不思議なくらい。なので今回はセットリストもしっかり頭に落とし込めています☆

 

今回も自由気ままに感想を綴っていきますので、自由気ままに目次をクリックしてください。(笑)

 

 

 

🍦セットリスト大公開!!

 

まず、少し驚きを隠せなかったのが今回のセットリスト。

 

「PANDORA」ツアーでは「(一部を除く)アルバム収録曲+ライヴ定番ソング」という分かりやすいラインナップだったため、まぁアルバムツアーってこんなもんだよな~と思ってたのですが……

今回は「えっそれ!?」って曲がちらほら混じっていて、セトリ予想コーナーを設けなかったことを後悔するハメになりました。(笑)

アルバムツアーって、ただアルバム曲を単純に披露するだけじゃない。アルバム全体を包括する「FLOWERS」というテーマをより「満ちた」「完成された」状態で届けるための貴重な場なんだと。

そのために彼らは、外からもまた別の「花」を少しばかり摘んできてくれたのかもしれません。

 

こうして完成した色とりどりのセットリスト。覚悟してご覧ください!

※記憶を頼りに書いているので、間違ってたらすみません…(泣)

~FLOWERS TOUR 2023 in 高松festhalle~

 OP: RUN RUN RUN

 1. HIGHER

 2. The Marking Song

 3. I Don't Wanna Be You

 4. お子さまプレート

 5. クライベイビー

 6. ペンペン

 7. デッドマンズチェイス

 8. 青いの。

 9. 倫敦

 10. Penetration

 11. My Favorite Things

 12. Dirty Pretty Things

 13. 平成ペイン

 14. エマ

 15. カウンターアクション

 16. one shot kill

 17. パラノーマルワンダーワールド

 18. きみとぼく

 19 (Ec). 硝子

 20 (Ec). LIFE IS BEAUTIFUL

 

牧さんがMCで、

「花には、美しく咲き誇る力強さもあれば最後に散ってしまう儚さもある。そうやって生命(いのち)を燃やしてるのは人間も一緒。だからみんな今この瞬間を一生懸命に生きてほしい」といった趣旨の話をしてくれました。

今回のセトリもまるで花のように、人生の栄枯盛衰や一瞬の輝き、移ろいゆく時の流れに着目した名曲を綺麗に揃えてきたな、という印象。

 

また今ツアーはキーボードのあっちゃん全公演同行(!)ということで、

お馴染みのサウンドに鍵盤のみずみずしい透明感が加わり、過去や未来ではなく「バニラズが立つ現時点」を所々意識させられるライヴとなりました。なんだろ、「PANDORA」が燻製の缶詰だとすれば「FLOWERS」は旬の生もの。本日中にお召し上がりください、と言わんばかりのフレッシュな感覚が、ライヴを終えた今でも残っています。

 

ちなみに、中でも驚きを隠せなかった曲目が

Penetrationパラノーマルワンダーワールド

いちアルバムツアーに盛り込まれるとは微塵も思わず、Penetrationではあまりの衝撃に30秒はフリーズし、パラノーマルワンダーワールドでは「久しぶり…♡」とほくそ笑みました。(笑)

 

「FLOWERS」の意義をしっかり体現してくれた20曲だったと思います!

 

 

🍦心に花咲いた瞬間BEST10

 

相変わらずハイライト盛りのバニラズライヴ。今回は、長ったらしくなるのを避けるためにもBEST10形式でお送りします。

ただ……楽曲達は本当に一つひとつ全く異なる花のようにみんな違ってみんな良い。曲自体に優劣なんて到底つけられないので、

ここではぐっ!と心に花咲いた瞬間を何点か切り取ってご紹介しますね!

 

 

第10位 E!M!A!の遊び心サウンド

 

まず、

さりげないけど言及せざるを得ないのが、今回も断トツでプリティがプリティだったエマ

でもベスト10に滑り込んだ理由はそこじゃない。

 

だってさ、

ギターサウンド変えてきたよな?

 

エマはバニラズきっての看板ソング。時と共に細かなバージョンアップを重ね、今やライヴ会場ではピカイチの一体感を誇る名曲です。

そんなエマに今回新しく加わったのは、まるでゲームのBGMを彷彿とさせる風変わりなギターサウンド。私の勘違いか?いやきっと違う。

コレにはもうみんなに「E!M!A!エムァ!」を恥じらい捨てて全力でやってもらおうっていう気概が見えたし、何より牧さんのオーバーオールがハマりすぎてて事件でした。

プリちゃん主導の「E!M!A!」ジェスチャーといい、サビの「wow oh oh oh」で両拳を交互に突き上げるダンスといい、セイヤ兄さんのエマキャッチといい……それに加えて、このコミカルかつ遊び心溢れるサウンドよ。

 

エマには、嫌なことも何もかも忘れて童心に帰れる工夫が細部にまで張り巡らされてます。

たくさんのバージョンを携えた無敵感もあり、これからもより一層多くの人々の光となること間違いなし!

 

 

第9位 デッドマンズチェイス+1

 

覚えているだろうか……。前回の武道館ではお蔵入りで、隣の女の子を悲しませていたデッドマンズチェイス

 

www.baniraoto.com

※エピソードはこちら ↑ にて。(笑)

 

この通称「バニラズ名物」が復活を遂げて私も何気に嬉しかったし、密なライヴハウスでの爆上がり感はやっぱり何物にも代え難い価値がありました!

 

そんなデッドマンズチェイスに「+1」としたのは、

まさかまさかのあっちゃんのコーナーがセッティングされていたから!

 

唐突すぎてびっくりしたけど、この全員(プリちゃん以外)自分の担当楽器でソロを披露していくという粋な流れにこんな爽やかでカッコいいキーボードが加わるなんて。冗談抜きで、あっちゃんにも歌詞つけて流れで歌ってほしかったわ。(笑)

躍動感に満ちたピアノの音色は、楽曲達に生命を吹き込んでくれるかのよう。先ほど言及した「旬の生もの」感も、フタを開ければおそらく全部あっちゃんの仕業。

 

あっちゃん……もう貴方は5人目のバニラズだ。オーディションとかいらずに。

「FLOWERS」ツアー全公演に同行してくれて、本当に感謝感激です。まだまだツアーは続くので、身体(特に首!)には気をつけて、楽しく全国廻ってくだされ!♡

 

 

第8位 FLOWERSとパラノーマル

 

ライヴも終盤に差しかかった頃、

あっちゃんがふと紡ぎ出した大聖堂のオルガンのような音色に聴き浸ってしまい、ステージ上に掲げられたgo!go!vanillasのロゴを見つめながら何十秒間も考え込んでしまった私。

このバンドを好きでいてよかった。この素敵なサウンドに包まれた時間が、どうか永遠に続いててくれたら……

そんな思いが自ずと湧き出てきて、現実から乖離していくような気分に陥りかけた矢先。

あの神聖なイントロが、まさかアルバム収録曲でもライヴ定番ソングでもないパラノーマルワンダーワールドに続いていたなんて…!

 

この曲は一見「FLOWERS」ツアーとは接点が無いように思えますが、

一輪の花にもなぞらえられる人生において「恋」「愛」「狂気」「夢」という四つのエッセンスを胸に全身全霊で生命(いのち)を燃やすこと。そのメッセージに着目すれば、真に「FLOWERS」というテーマにふさわしい一曲と言えるのではないでしょうか。

 

アルバムタイトルの意味を噛み締めるほどに腑に落ちる、素晴らしい采配。この歌やっぱり大好きだ。

ツアーに花を添える役割を立派に果たしてくれて、ありがとうございました…!

 

 

第7位 大熱唱LIFE IS BEAUTIFUL

 

ライヴ帰りの新幹線にて。私は一体なぜこれほどまで「FLOWERS」ツアーに対してある種の新鮮さ」を覚えてしまうのか、スマホのメモを片手に真剣に考察してみる。

生き物である「花」がテーマだから?体温が感じられるサウンドづくりを意識してるから?あっちゃんが奏でるキーボードの透明感が過ぎるから?

上記すべてが正解だとしても、

個人的にもうひとつ、忘れてはならないとても大切な要素があります。

 

というのも、

今回はコロナ禍による様々な制限が解除の動きを見せ、コール&レスポンスや観客を交えての大合唱などが解禁された記念すべきツアー。

どおりで、私のようにコロナ禍でバニラズライヴデビューを果たした者からしたらめちゃくちゃ新鮮に感じられるのも頷ける。

 

実際ここ高松でも

きみとぼくの「ラララ…」

倫敦のサビ

青いの。の「loser loser」

などなど、観客が歌に参加できるシーンがたくさん盛り込まれてました。

 

そんな中で、最も「コール&レスポンス!」の一体感を感じられたのが

ラストソングであるLIFE IS BEAUTIFULのラストパート

「LIFE IS BEAUTY SO BEAUTIFUL」。

 

きみとぼくの「ラララ…」に比べてよりシンプルなメロディラインと、倫敦のサビよりも端的で覚えやすいフレーズ。さらにラストソングのラストパートという位置付けも相まって、

ここまでsing-alongを求められても小声でまばらに口ずさむだけだったみんなが、最後ほぐれ切った空気の中、やっとのびのび自然体で歌にダイブできた瞬間だったと思います。牧さんも嬉しそうだったな。

まるでお互い「ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えあっているかのような、あたたかく息の合った呼応を体現できた気がしました!

 

「聴く」「踊る」だけじゃなく「一緒に歌う」ができるようになった2023年。

この変化を踏まえてバニラズが今後どのようなライヴづくりをしていくのか、これから一層目が離せません…!

 

 

第6位 アイドンワナビーユー!

 

HIGHER → The Marking Song → I Don't Wanna Be Youと、アルバムの曲順に沿ってイイ滑り出しを見せていた「FLOWERS」楽曲。

三曲ともライヴハウス映え抜群で血が騒ぐ中、

これは高松festhalleで聴いて良かったなぁ!と心から思えたのが……I Don't Wanna Be Youでした。

 

なんてったって、

このわちゃわちゃ感よ。

 

「PANDORA」のクライベイビーでは牧さんと進ちゃんが並行するようなカタチで「仲間と泣き笑う今この瞬間」を歌い上げてたのに対し、

この曲でフォーカスすべきテーマはなんといっても唯一無二の自分。作詞作曲を手掛けた進ちゃんからして言えば、もう牧さんと並行、ではない。牧さんと対抗、なのだ。

特にBメロ部分で二人同時に歌い上げる全く異なった歌詞が、お互い声量ちっちゃくないがゆえに真正面からぶつかり合って、でもその我の強さこそがこの曲の最も伝えたいことで。

ライヴハウスでもみくちゃになりながら、牧さん進ちゃんに加え観客も一緒に「アイドンワナビーユー!」とバニラズメンバー向かってブチまけるのがめちゃくちゃ楽しかったです。(笑)

 

クライベイビー、TRAP!、I Don't Wanna Be You……と、全員参加型の賑やかな楽曲を数多く手がけてきた進太郎氏。

ライヴが徐々に「元の形」に戻りつつある今、これらの楽曲は今より更に輝きを増して歌い継がれていくことでしょう!

 

 

第5位 フッフッフフラワァズ!

 

ライヴハウス映え抜群なのは、もちろん先ほどの「FLOWERS」楽曲だけじゃない。

 

今回カッコ良すぎて発狂しそうだった(てか発狂した)のは、バッチバチのカウンターアクション。みんなキャーってなってたし、イントロ部分マジでみんなノリすぎてて内心ほっとしたわ(笑)。これこそが、ここ数年ずっと抑圧されてきた「ライヴハウス」の本来在るべき姿なんだと思うと、昔の日常を取り戻せた気がして非常に感慨深かったです。

 

個人的にもうひとつ、アフターコロナの洗礼を受けたのが進ちゃん指揮の掛け声(!)。

当方コロナ禍にライヴデビューして以来クラップしか知らないモノだから、

出だしの「フッ!フフッ!フッフッフフラワァズ!」にちょっと戸惑いを隠せなかったイイ思い出。それにしてもなんかムズい!言葉での音頭となると難易度がクラップの2.5倍に跳ね上がったように感じるのはなぜなんだ。(笑)でも後から思い返すとなんだかシュールで気に入ってしまったかも……。

 

出だしの掛け声含め、ライヴハウス+声出し解禁のカウンターアクションはアガりすぎて普通に反則。

次のライヴでも、楽しみにしています!

 

 

第4位 My Favorite ThingsのLight

 

比較的落ち着いた状態で臨めた「FLOWERS」ツアー in 高松。歌やメンバーだけではなく照明などの細かい部分にフォーカスできる心の余裕が生まれ、より一層深く網羅できたライヴとなりました。

そんな中で、照明がとりわけ印象深かった楽曲が

成熟を感じさせる「Things」コンビ、Dirty Pretty ThingsとMy Favorite Things。

 

ダープリでは、ゆるやかだけど確かな「変化」がライティングにも顕著に表れていたように思います。二番途中の青、長い間奏部分で駆使する赤、赤い夕陽で出現するオレンジ。季節は巡り、歳を取り、家族も増え、かつてない感情と対峙する。美しいグラデーションのような日々が、「音」だけでなく「色」でも巧みに表現されていました。

 

が。

 

僅差の末、個人的に軍配が上がったのはダープリよりもマイフェイ(どんな略し方やねん)。全体的に靄(もや)がかかったようなライトブルーを多用しており、メロウな世界観にすごく合っていたと思います。

さらに言うなら、長い間奏部分を暖色オレンジに染めてきたのはズルかった。

 

なんだろう。不覚にも、中学校の文化祭前夜、体育館に残って出し物のリハーサルに励んでいた頃を思い出してしまいました。

使い古された舞台上を照らす、温かく柔らかくも芯の強さを感じるスポットライト。音響の機材からツーっと放たれる仄かなネオン。隅からステージ側を覗く際に透けて見える空気中に舞い上がった埃。

今回My Favorite Thingsの一幕で見たオレンジ色の照明をはじめ、エフェクタースイッチから漏れ出る微かな光、煙が焚かれて霞んで見えるライヴハウスの空気も全て、

自分が思い出した情景そのものとシンクロしすぎて思わず曲に入り込んでしまいました。(笑)

 

「文化祭前夜の体育館」「小さなライヴハウス」などの実際に見た景色を借りてはいるものの、

「FLOWERS”Programme Notes”INTERVIEW」で進ちゃんの解説を聞く前から既に、この曲が暗喩する「暗闇の中で見出した淡くも確かな光」というイメージが的確に伝わっていたことにただただ感動。

それくらい、この曲にはメタファーとしての圧倒的な存在感が光っているのだとつくづく感じさせられます。

スピンアラウンド 今めぐるよ 光るまで踊ろうよ Light

スピンアラウンド 流れ着くよ その先でもずっと Light

Lyrics by: Shintaro Yanagisawa

 

「音を通して光が可視化できる」なんて、信じ難いとは思うけど。

この曲はそんな不思議なパワーを秘めた、進太郎くんの真骨頂とも言うべき名曲です。

 

 

さて、ここからはBEST3!!!

 

 

第3位 硝子とバニラズ"らしさ"

 

第3位は、想像をはるばる超えてきたアンコール曲、硝子

言葉を失ったよね、もう。

 

いちロックバンドのボーカルが、メンバーの楽器そっちのけでピアノだけをお供にバラードを唄い上げる、という異色のチョイスは、邦ロック界でもあまり聞いたことがない。ましてやハーモニー盛りで明るく情熱的な印象しかないあのバニラズが…!と驚いた方もきっと多かったはず。

実際私も「この大削減(他の楽器を、って意味ね)で、どんな風にバニラズのカラーを打ち出すのだろう…?!」とハラハラした状態でCDを手に取り、

「これがバニラズの…新しい景色…なのか…?」と、最初はあんまりピンとこなかったんですね。

 

ところが、

ライヴハウスで初めてこの曲と対峙した時、え?ってなりました。

どの曲にも負けず劣らず「バニラズ」を感じた自分がいたから。

 

CDでは決して味わえない臨場感。息遣いや間の取り方、一期一会のピアノトーンから優しく伝わる純粋無垢な情感。

アンコールというのもあり、牧さんの声が丁度良い塩梅にかすれてて「今しか出逢えないオト」に出逢えたというか、これはライヴ毎に全く違った感触の硝子が生まれてるんだろうなぁと想像しながら、どっぷり堪能させていただきました。

 

牧さんはこのあっちゃんとの異色のユニットを試すにあたって、Jojiの「Glimpse of Us」に感化された、と明かしていましたね。

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しかし、私個人が真っ先に重ね合わせてしまったのは意外にもBruno Marsの「When I Was Your Man」(そういえば牧さんブルーノのライヴ行ってなかったっけ)。

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彼もファンキーでハッピーな楽曲をたくさん持ってるけど、このピアノ弾き語りは彼のスタイルを打ち壊すことなく、むしろ芯の部分は守りつつ表現の幅を上手に広げていて私自身も大好きな曲。

この幅の広げ方、派生の仕方に限りなく似たものを今回バニラズの硝子からも感じてしまい、

気付けば年季の入ったアップライトピアノが置かれた深夜のバーで弾き語りを聴いてるような気分で見惚れていました。カウンター席に一人、ロックのウイスキーを注文したくなる。

 

この曲、バニラズらしいか?と思うのも無理はない。

でも少なくとも私は、今回の生演奏を聴いてバニラズの変わらない方向性をはっきりと見出せた気がします。

思えばピアノと声だけって突き抜けてアナログだし、そのアナログスタイルそのものが、今までバニラズが必死にあたためてきた「温故」「ヴィンテージ」「レトロ」の世界観を踏襲してるのかもしれません。

△よりも○に近くて おひさまのような君の熱い心を知ってるよ

Lyrics by: Tatsuya Maki

君だけしか履けないから待ってるよ 君の硝子の靴と

Lyrics by: Tatsuya Maki

おとぎ話の片鱗や異国情緒、哲学論。牧さん独特の良い意味で浮世離れした歌詞も健在。

 

ピアノバラードであるにもかかわらず、バニラズ特有のアナログな世界観やファンタジックな雰囲気が壊れることがないのはきっと彼らの技量以外の何物でもない。

そういう意味でも、この曲はメンバー4人に一丸となって温めていただきたいれっきとしたバニラズソングです。

 

 

第2位 青いの。の前奏について

 

もう第2位に躍り出るのは絶対コレ。一時間は語らせてくれないか。(笑)

 

青いの。の、

それもイントロアレンジについて。

 

なんと形容したらよいのだろう。あの爽やかなブルーラグーンイントロに、モダン・ボサノヴァを隠し味として織り交ぜたような。バルコニーに出て大理石の椅子に腰掛け、そよ風に当たりながら高級ガラス皿でいただくサーティワンのポッピングシャワーみたいな(なんだそれ)。本気で、あんなにワクワクするサウンド聴いたの何ヶ月ぶりだろう…!

 

この曲の第一印象を思い返すと、

バニラズ自身のやりたい!を全面に押し出すというよりは、青春を謳歌するリスナーに寄り添うように作られた、「個性」と「万人受け」のバランスが絶妙な一曲。

そこまで奇抜なアレンジに振り切ってはないしライヴでもずっと原曲に忠実だったから、

今回こうして青いの。をスタイリングしてきて意表を突かれたと同時にめちゃくちゃ嬉しかった!!!

 

イントロのみならずアウトロも素晴らしすぎて、うわぁ…!と声が漏れてしまったくらい。正直青いの。を見直したというか、曲そのものに対して見る目が180度変わってしまった。中身はさほどアレンジかかってないはずなのに。

唯一遺憾なのが、

今現在そのエクスタシー感だけが若干残ってるくらいで、具体的にどんな旋律だったか日を追うごとに曖昧になってきてること。(泣)これはオリックス劇場で再び鼓膜に擦り付けなきゃ帰れない。そのくらい最っ高なアレンジでした!(涙)

 

 

第1位 心を奪われたPenetration

 

これは衝撃。本当に衝撃。

 

ライヴ中盤での出来事。

よく分からないイントロをバックに、進太郎くんが「縦じゃない飛び跳ねる系じゃない、横にスウィングするような踊り方を覚えるのもオトナへの近道だぜ?」みたいなこと言ってて、何の話か全く見当がつかなくて、手拍子続けてーって言われてワケも分からないまま手拍子してたけど、

続く先が妖艶すぎて手拍子なんぞ続けられなかった。

 

堂々たる第1位は、

もう圧倒的にPenetration感嘆と陶酔で時が止まったし、まさかこんな形でこんな激レアソングが聴けちゃったなんて……!と呆気にとられてしまった。

この曲が「FLOWERS」ツアーに入ると予想していた人は果たしてどれくらいいただろう?フラワー(花)→ 香りがいい → フレグランスを音で感じられる妖艶な曲、という思考回路で披露するに至ったのだろうか??だとしたら凄まじいわ…

 

この曲はひと夏の告白ソングという認識なんですが、

エメラルドのように淡く美しい運命の出逢いと「君」を必ず手に入れる!という情熱に加え、どこか妖艶でミステリアスな雰囲気も併せ持つ、まるで三種のフレグランスを調合したオーダーメイド・パフュームのような隠れた名曲だと思ってます。

Quoted from:日本武道館「My Favorite Things」セトリ大予想会! - バニラオト (baniraoto.com)

 

日本武道館のセトリ予想会を読み返すと、Penetrationをこんな風に表現してたんだな私……。

まさにそれすぎて、もう。

 

弓形のカーブを描くようなギターサウンドに進太郎くんの色香漂うムスクのような歌声。進ちゃんの信念と美学が凝縮された、なんともセンシュアルな一曲です。

 

アルバムツアーなのにアルバム外の曲が堂々の一位をカッさらうという。(笑)でもそのくらい心を奪われてしまったのよ。

この曲を生で聴けて本当に良かったです。♡

 

 

🍦全体的な感想

 

ここから先は、

初の「FLOWERS」ツアーを経た全体的な感想、思いがけない発見等をまとめています。

 

 

コロナ制限解除の戸惑いと発見

 

まずはじめに、今までと明らかに違ったのがライヴでのルールについて。

 

今回はコロナウイルス感染拡大防止の観点から設けられていた様々なルールが廃止となり、

「不織布マスク着用なら声出しOK」という、アフターコロナに向けての大きな一歩を踏み出した意義深いライヴとなりました。

ライヴ直前にその注意事項をアナウンスしてくれたお兄さん……「これからは、プリティーーーーーーー!!!って呼んでもいいんです!」みたいなこと言い始めてビビったよ。(笑)てっきり音声読み上げソフトだとばかり思ってたからなおさら!(笑)

 

声出し解禁は、思ってた以上に大きな一歩でした。

牧さんも気兼ねなく「一緒に!」とこちらへマイク向けてくれるし、ステージ上で「今日朝うどん食べた人ー!」って友達と談笑するみたいにファンと交流を図る。アーティストとファンの距離がぐっと近くなった実感とともに、そんな世界が遂に復活したなんて未だに信じられない自分もいる。

とはいえ、コロナ禍真っ只中にライヴデビューを果たした者からするとフォーゥ!って声出す前に拍手しちゃう癖がなかなか抜けず、結局sing-along以外は終始声が出せずじまいでした。(笑)慣れるまで時間かかりそう…。

 

もうひとつ、地味に驚いたのがパイプ椅子の撤廃。

「パイプ椅子の無いスタンド席」なんてことはつゆ知らず、思いっきりリュックを椅子の下に収納する気満々でやってきてた私。「えええ、下に置くと踏み潰されて危ないし、背負ったままだとエマで飛び跳ねられんなこりゃ…」と、ワンドリンク制で買ったクリスタルガイザーをバニラズサコッシュに突き刺し、リュックは丸ごとコインロッカーに預けて臨んだのですが……

クリスタルガイザーってほら、ボトル柔らかいしフタも浅くてお世辞にも頑丈とは言い難い。隣の人(と自分)にバコンバコン当たるのを防ぐために片手で引っ掴みながら飛んでたけど、アガりすぎて「ボトル握り潰す → 水ぶちまける → 周りの人に謝りまくる」っていう最悪の事態まで頭をよぎった。まぁ踏み潰すか握り潰すかの二択だったら後者の方が幾分かマシだろう。

結果的に大丈夫だったけど、これが水じゃなくてコーラだったら……と想像すると別の意味で戦慄が走る。ボディバッグを買うか本気で考えた一夜でした。

seezrecords.shop-pro.jp

↑ これね。(笑)

 

そして、パイプ椅子の撤廃並みに驚いたのが

整理番号順の入場。(笑)

 

実は入場開始前から謎の行列ができていて、「なんの番号?どーゆーシステム?」と警戒感からしばらく近づけなかったワタシ。

あとで悟りました。「パイプ椅子が無い=完全立ち見=番号順に入場させないと早い者勝ち乱闘状態になる」ということを。

そういうわけで、近くの人同士「何番ですか?」と尋ね合いながら大人しく参列。そんなワタシは「360」というぱっと見絶望的な番号で、発券当初から「コレまさかラストちゃう?ラストちゃう?♡」と謎にテンション上がってたのに実は500番台までザラにいたことを知り、ラストじゃないんだって安堵感と面白くねーなーって気持ちが同時にやってきました。(笑)

ただ、当時の私は知る由もなかった。その整理番号とやらというものが、ほぼ全く意味を為さないということを――

 

会場入りした後、ロッカーにリュックを預け、憧れのアルバム「Magic Number」を(遂に!)購入しルンルン気分で場内に戻ると、

もはや何番なのかも分からない人達が前方に前方にとスペースを埋めていってるではありませんか。

 

でも大丈夫。メンバーの顔が見えない席とかアリーナで嫌というほど経験してるし、もう慣れっこだから。若者よ前に進みなさい。さてと、ワシはいっそ一番後ろに行って、バンドメンバーの最近別れた元カノ感醸し出そうかなっと。

 

そんなこんなで、

コロナ制限解禁前のメリットと解禁後のメリット、それぞれを噛み締めた一夜となりました。

新しいライヴの形にも徐々に慣れなくっちゃな。来月のオリックス劇場も心から楽しみにしています!

 

 

大人になった私達

 

みんな大人になったなぁ……と実感せざるを得ない今回のアルバム「FLOWERS」。

ライヴを終えて、なんだかバニラズの成熟だけじゃなく自分自身の成長も感じたように思います。一日中恐ろしいくらい落ち着いてて、もうバニラズにキャーキャーする時期は過ぎたのかも。(笑)

 

今回は花占いくじとかそっちのけでギリギリまで高松観光に振り切ってた(オイ)し、立ち位置が後ろになってメンバーの顔が見えなくとも元気な声が聞ければそれでいい。

決して冷めているわけではなく、本当に「憧れのアイドル」から「長年大好きな旧友」のような存在にシフトしてきた気がします。多分今じゃ街中でメンバーにばったり遭遇しても、写真やサイン求めるより先に色々労わってしまいそう。(笑)

 

 

そして最後に思い出すのは、牧さんの印象的なMC。

「夢を追ってもいいし、幻に逃げてもいい。ただ、自分を押し殺さないで。」

 

他者や全体の利益を優先し、自分を押し殺しながら生きている人はきっと少なくありません。それも愛や思いやりからじゃなく、ただただ周囲から浮かないために、上司に嫌われないために、組織の歯車をうまく回すために、誰が作ったかも分からない「常識」「当たり前」を守り切るために。

歪な社会に麻痺してしまってる私達に、自分のオンリーワンを育み、夢を追い求めるのを恐れない勇気を持つ大切さを訴え続けるバニラズ。永遠に私のヒーローであり、そんなブレない姿勢にこれまでどれほどの活力をもらってきたか分かりません。

 

色んな意味で「大人になるということ」を考えるきっかけをくれた今回の「FLOWERS」ツアーですが、

歳を重ねるごとに愛や優しさの芽はじっくり育てつつ、それでもなお社会という場がもたらす理不尽さには呑まれることなく、一人ひとりが自分にしか咲かせられない最高の花を咲かせられることを願うばかりです。

 

高松festhalleの裏の電柱にいた可愛いお花♡

 

さて、来月は大阪のオリックス劇場に出陣予定。ここはさすがに椅子あるわな。(笑)

ももちゃんの再来もちょっぴり期待してるし、あの青いの。イントロアレンジがまた聴けると思うと本当にそれだけで頑張れそう。(笑)5月5日に鹿角まで行けない分、思いっきり楽しんでこようと思います!

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。

また4月にお会いしましょう!!!!